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2020年より始動した“はさがけ”をシンボルに新潟県新発田市より発信するこだわり農業

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先代 仙次郎、誕生を語る

2021/12/10

自分が先代 仙次郎。
二代目 仙次郎は、親戚付き合いをしてきた息子のような一人とその仲間たち。




二代目の母親の遺言が
「家族のことをお願いね」
だったことから、
残されたみんなでできることって
なんだろう…。そうだ米作りだ!
ということになり、
二代目たちは動き出した。

そのいきさつを知っていたから、
「簡単じゃない、やめとけ」
とは言えなかった。
「当たり前の農業ではなく、
街の人も楽しめる農業ができないか」
と相談されて、
なんだかわからないけれど、
どこかワクワクする気持ちを覚えた。

「なにか、俺たちの名前を決めようぜ」と
二代目が話し合って決まった名前は、
「仙次郎」。

由来は、お米農家だったうちの屋号が
“仙次郎”だったから。
その屋号を引き継いで、
米作りをすると決めた二代目。

さらには、「せっかくやるから、
美味しい米を作りたい」
「美味い米なら、
やっぱりはさがけじゃないか。」と、
はさがけに挑戦したいと言い出した。

はさがけ米を作りたいという思いは、
面白いけれど、かなり手間がかかる作業。
米作りだけを半世紀近くしてきた
自分にとって、
「片手間では無理だ」
本音ではそう伝えたかったけれど、
「もう決めた」と強い決意で言うから
仕方ないなと思いながらも
手伝うことにした。


<補足>
“はさがけ”とは、木や竹を生んで作った“はさ”に
稲をかけて天日乾燥をさせる
伝統的な農法のことです。
乾燥機を使用することがほとんどの今、
収穫時期に“はさがけ”自体を
目にすることも減りました。
“はさがけ米”とは、
はさがけの工程を経てできたお米のことで、
約2週間天日干しをして乾燥させることで
お米の養分がゆっくり集中して
美味しさが増すと言われています。



仙次郎のはさがけは、街に溶け込む三角形



二代目たちが持ち込んできた、
はさがけの“はさ”のデザインを
最初に見たときは驚いた。
なぜかって、従来の横長のものではなく、
5m×5mの巨大な三角形だったから。

「そんなデザイン重視で
ちゃんと干せるのか」と、
見た目だけではない機能の部分に
自分の意見を加え、
2020年9月、
巨大な“はさがけ”1号が完成した。

仙次郎特有の三角形のはさがけを
建てることから、
二代目たちとの米作りにおける
共同作業が始まった。



“新しい農業の形”を見せられて



二代目たちがどんどんと仲間を集めて
米作りに関わってくれることに
嬉しさも感じつつ、
「こうしたい」「ああしたい」
という考えに
自分の知識と経験を重ねながら
「そうじゃない」ということもあるし、
「やったことがないからやってみよう」
ともなる。

「稲を架けたはさがけを
ライトアップしたい」
「田んぼにロゴを描いて空撮しよう」

二代目たちが、
垣根を越えた農業に興味を示し、
どんどん夢中になる姿に、
気がつけば
自分も突き動かされるように
“新しい農家の形”を
応援するようになった。
自分では考えもしない発想や挑戦を
次々と持ってくる二代目たちが
迷ったときに
技術と経験で手助けしてやるのは
先代の仕事。
だから次世代にこんな風に
米作りを伝えられることが、
今では生きがいになった。




次回、「二年目の活動を経て」公開予定